都内の病原体定点から搬入される検体についてウイルスの検索を行い、感染症の発生状況を把握・分析することにより、感染症の発生およびまん延を防止することを目的としています。検査結果は、国への報告ならびに「東京都感染症週報」「東京都微生物検査情報」(月報)「感染症発生動向調査事業報告書」(年報)により都民への情報還元を行っています。
|
検査対象疾病 |
基幹定点 |
|
小児科 |
|
眼科定点 |
流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎 |
定期予防接種対象疾患について、都民が病気に対する免疫をどの程度保有しているかについて調査を行っています。これらの結果と、年齢・予防接種歴などをあわせて分析し、効果的な予防接種を行うための参考資料としています。調査結果は「流行予測調査結果報告書」として公開しています。
当研究室では、急性灰白髄炎(ポリオ)、日本脳炎、麻しん、風しんについて都民の抗体価を測定しています。
都内で感染症の集団発生等が起きた時等にその動向、原因等を把握し感染症の拡大防止に 資するため、感染症対策課、保健所等からの依頼によって、ウイルス検査を行います。
現在、麻しんの清浄状態維持のため都内で発生した麻しん患者、風しん患者検体の全数検査 を行っています。また、国内外で発生したデング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱疑い患者の検査を行っています。最近では世界で流行しているエムポックス(サル痘)の検査も行っています。
東京都では蚊媒感染症を未然に防ぐため、感染症媒介蚊サーベイランスとして平成16年から都内16か所で広域サーベイランスを実施しており、さらに平成27年度から都内9施設で重点サーベイランスを開始し、捕集した蚊のデング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、ウエストナイル熱のウイルス検査を行っています。