都内におけるインフルエンザウイルスの遺伝子系統樹解析について
2023/2024年シーズン(2023年9月4日~)のインフルエンザウイルスの解析結果をまとめました。
インフルエンザウイルスAH3亜型のHA領域における遺伝子系統樹(2024年6月24日現在)
2023/2024年シーズンは、2022/2023年シーズンに引き続きAH3亜型が都内で多く検出されました。2023/2024年シーズンの検出株の多くは、2022/2023年シーズンの都内検出株(緑)とは異なるクレードを形成しました(水色、紫、黄、青、赤)。2023/2024年シーズンのワクチン株よりも2024/2025年シーズンのワクチン株に近縁でした。
![H3](https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/lb_virus/influenza_ha/H332.png)
インフルエンザウイルスAH1pdm09のHA領域における遺伝子系統樹(2024年7月22日現在)
2023/2024年シーズンは、AH3亜型とともに、AH1pdm09も都内で検出されています。2024年5月以降は、AH1pdm09の検出が増えています。流行株は2023/2024/2025年シーズンのワクチン株と同じクレードに属する株(2023/2024年シーズン流行株①)と、2023/2024/2025年シーズンのワクチン株と異なるクレードに属する株(2023/2024年シーズン流行株②)の2つのクレードに分かれました。2024年4月以降の都内検出株(青、緑、赤)はすべて、2023/2024年シーズン流行株②に属しました。
![pdm](https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/files/lb_virus/influenza_ha/pdm31.png)
インフルエンザウイルスB型のHA領域における遺伝子系統樹(2024年6月24日現在)
2023/2024 年シーズンは、2022/2023年シーズンと同様にB型 Victoria系統が検出され(水色、紫、黄、青、赤)、都内では2024年1月下旬から4月まで検出が増えました。ただし、新型コロナウイルスの流行以前(2018年~2020 年)の都内検出株とは異なるクレードを形成し、 2023/2024/2025年シーズンのワクチン株と近縁でした。
リンク
・都内のインフルエンザの流行状況について