化粧品は、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(略称:医薬品医療機器等法)という法律で概ね以下のように定義されています。
「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものを言う。
この定義に基づき、下のファイルに記載されている効果を目的とするものが「化粧品」に該当します。具体的には、シャンプー、リンス、石けん、ファンデーション、クリーム、マニキュアなど、たくさんの物が該当しています。
医薬部外品は種類が幅広いので、ここでは化粧品と似た使い方をするものとの違いに注目して説明します。
医薬部外品の中には、化粧品と見かけが似ている物もありますが、「医薬部外品」と表示されていることによって、化粧品と区別することができます。石けん・化粧水・日焼け止めなど、化粧品と同じように使用する医薬部外品には、「薬用化粧品」と呼ばれるものもあります。
医薬部外品と化粧品は、目的としている効果に違いがあります。どんな効果を求めてお使いになるのかによって、どちらに該当するものを買うか決めるとよいでしょう。
下の表に違いの一部を紹介します。
化粧品に認められている効果 | 医薬部外品で、一般に認められている効果 | |
石けん |
皮膚を清浄にする など |
左の効果に加えて、皮膚の殺菌、消毒 など |
入浴用品 |
肌を整える 皮膚に潤いを与える など
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あせも
肩こり 神経痛 疲労回復 腰痛 など |
化粧水・乳液など |
肌のきめを整える
肌をひきしめる 肌をやわらげる など |
左の効果に加えて
にきびを防ぐ メラニン色素生成を抑えることにより日焼けによるしみ・そばかすを防ぐ(いわゆる美白効果) |
歯みがき類 |
(ブラッシングを行うことにより)
むし歯を防ぐ 歯を白くする 歯垢を除去する |
歯石の沈着を防ぐ
むし歯の発生・進行を防ぐ 歯肉炎の予防 歯周炎の予防 |
ここにあげている効果はあくまで例示ですが、医薬部外品の効果として例示しているものは、いずれも化粧品には認められていない効果です。
医師が関わっていることによって、化粧品本来の効果が広がるわけではありません。「シミが消える」、「シワがとれる」などの効果は、化粧品には認められていません。
医師の推薦や関与については、広告が不適切なものもあります。医師の協力により、「低刺激性の処方を考えた」、というものは事実であれば直ちに不適切な広告とはなりませんが、効果について強調している場合には注意が必要です。
化粧品を使用することによって「痩せる」という効果は認められていません。メーキャップ効果により「ほっそり見える」効果は、製品の種類によっては期待できる場合もあるでしょう。
化粧品でのいわゆる美白効果は、「メーキャップ効果によって肌を白く見せる」ことを言います。
医薬部外品(薬用化粧品)では、メーキャップ効果の他に、「メラニン色素の生成を抑えることにより日焼けによるしみ、そばかすを防ぐ」という効果が認められている製品があります。
しかし、いずれも使い続けることにより肌の色がだんだん白くなるという効果ではありません。美白効果については、誤解を招く広告が行われている例もありますので、効果について正しい認識を持って、選択してください。
有効成分とは、医薬品や医薬部外品に含まれる成分のうち、その医薬品などの目的である効果を表す成分のことです。例えば、解熱鎮痛剤に含まれるアスピリンのような成分のことを有効成分と言います。化粧品の場合は、配合されている成分全体で、使用感や効果を発揮するため、有効成分という言葉は使いません。
東京都健康安全研究センター企画調整部健康危機管理情報課食品医薬品情報担当
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