ハンセン病対策事業について
ハンセン病について
ハンセン病はかつて「らい病」と呼ばれた、感染力の極めて弱い病原菌による感染症です。
日本では、1907年(明治40年)に制定された「らい予防法」により、すべてのハンセン病の患者を生涯施設に入所させる政策がとられました。その結果、家族が強制的に別れさせられ、患者や家族に激しい苦痛を与えてしまいました。また、多くの方がハンセン病に対して強い偏見をもつ原因になりました。
平成8年に「らい予防法」が廃止され、施設への入所政策はなくなりましたが、ハンセン病に対する根強い偏見や差別はなくなっていません。
ハンセン病について正しい知識を持ち、その知識を周囲に伝えることで、偏見や差別がなくなるようにしましょう。
ハンセン病とは?
- ノルウェーのハンセン博士が発見した「らい菌」による感染症です。
- 「らい菌」は極めて感染力が弱い病原菌です。
- 皮膚と末梢神経の病気です。皮膚の表面に結節(こぶ)などが生じ、末梢神経が侵され、知覚障害が起こります。
- 現在では、有効な薬剤を使うことで確実に治療できます。
- 早期発見、早期治療すれば、後遺症も全く残りません。
- ハンセン病は遺伝しません。
現在でもハンセン病にかかる人はいますか?
- 年間に数名の患者が生じる程度です。
- 「らい菌」は極めて感染力が弱く、感染しても、現在のような生活環境ではほとんど発病することはありません。
- ハンセン病から回復した患者と接触しても、感染する可能性は全くありません。
なぜハンセン病の患者は、施設入所しなくてはいけなかったのですか?
- 1907年(明治40年)に「らい予防法」が制定され、全ての患者を終生療養所に隔離する政策がとられました。
- 戦後、特効薬ができて病気が治るようになっても、隔離政策が続けられてきました。
- この政策は、患者と家族が強制的に別れさせられる不幸だけではなく、ハンセン病について様々な偏見や差別を生む原因となりました。
東京都のハンセン病についての正しい知識の普及啓発事業
東京都では、6月22日の「らい予防法による被害者の名誉回復及び追悼の日」にあわせて、毎年普及啓発行事を行っています。