特定建築物の衛生管理基準 – 建築物衛生のページ
令和4年3月31日更新

目次

建築物環境衛生管理基準等

 建築物衛生法では、特定建築物を環境衛生上良好な状態に維持するために必要な措置として、空調管理や給水管理等についての建築物環境衛生管理基準(以下「管理基準」という。)を以下のとおり定めています。(表1)

 なお、東京都では地域特性を踏まえ、独自の「指導内容」を設けています。

  • ※平成20年4月1日より飲料水水質検査の消毒副生成物の項目に塩素酸が追加され12項目となりました。
  • ※平成21年4月1日より飲料水水質検査の有機化学物質の項目から1,1-ジクロロエチレンが削除され、シス-1,2-ジクロロエチレンがシス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレンとなり、6項目となりました。
  • ※平成26年4月1日より、飲料水水質検査の省略不可項目に亜硝酸態窒素が追加され11項目となりました(表3、4下線部分)。
  • ※令和4年4月1日より、居室における温度の低温側の基準が「17度」から 「18度」になります。
  • ※令和4年4月1日より、居室における一酸化炭素の含有率の基準について「100万分の10以下」から「100万分の6以下」となり、特別の事情がある建築物に係る規定が削除されます。

空気環境

空気環境測定

 空気環境が表2のとおり維持管理されているか確認するために、2か月以内に1回、空気環境測定を行うことが定められています。空気環境の定期測定の場所については、原則として各階ごとに居室の用途、面積に応じて選定してください。なお、測定結果に問題があった場合は、原因究明のための測定及び適切な是正措置を講じてください。

 新規に竣工した特定建築物については、空気環境の実態が把握されるまでの間(竣工してから1年程度)は、毎月1回空気環境測定を実施してください。

令和3年12月に政省令の改正があり、温度の低温側の基準(17℃以上→18℃以上)、一酸化炭素濃度の基準(10ppm以下→6ppm以下)、一酸化炭素濃度の基準の特例(外気濃度が高い場合基準を20ppm→特例なし)についての改正が令和4年4月1日に施行になります。以下については施行後の基準になります。
表2 空気環境の管理基準値
- 項目 管理基準値 測定器 備考
瞬間値 温度 18℃以上28℃以下
(冷房時には外気との差を著しくしない)
0.5℃目盛の温度計 機械換気設備のみを設置している場合は適用しない。
相対湿度 40%以上70%以下 0.5℃目盛の乾湿球湿度計 機械換気設備のみを設置している場合は適用しない。
気流 0.5m/秒以下 0.2m/秒以上の気流を測定できる風速計  
平均値 一酸化炭素 6ppm以下 検知管方式による測定器  
二酸化炭素 1,000ppm以下  
浮遊粉じん量 0.15mg/㎥以下 規則第3条の2に規定する粉じん計  
瞬間値 ホルムアルデヒド 0.1mg/㎥(0.08ppm)以下 法令により定められたもの 建築等を行った場合、使用開始日以降に到来する最初の6~9月の間に1回測定する

(注)

  1. 瞬間値とは、1日2回又は3回の個々の測定値について適否を判断
  2. 平均値とは、1日2回又は3回の測定値を平均したもので適否を判断
  3. 粉じん計以外の測定器については、表中の測定器か同等以上の性能を持つものを使用
  4. 粉じん計は厚生労働大臣の指定する機関の較正を1年以内に受けたものを使用

 測定点は原則として各階ごとに1か所以上ですが、ビルの規模に応じて測定点数を調整する必要があります。空調系統や居室の間仕切りなどにも配慮し、実態が正確にとらえられるように努めましょう。また、居室の測定前に外気を測定します。

冷却塔・加湿装置等

 空気調和設備の衛生上必要な措置として、冷却塔と加湿装置の管理が省令に明記されました。以下の基準で管理してください。

  • 供給する水は、省令により、水道法第4条に規定する水質基準に適合する水(原則として水道水)とします。地域再生水、広域再生水等の再利用水、雨水、空調排水等を使用することはできません。
  • 平成14年の省令改正以前から井戸水を使用している場合は、早急に上水に切り替えてください。上水に切り替えるまでの間、飲料水として井戸水を使用する際は、省令で規定している水質検査と維持管理を実施する必要があります。
  • 水道水を冷却塔及び加湿装置の補給水に使用している場合であっても、飲用系統とは別に補給水槽を設けて供給する際(雑用系上水)には、補給水槽の適正な管理を行ってください。
  • 雑用系上水を冷却塔の補給水として使用する場合の管理について
  • 使用開始時及び使用期間中1月以内ごとに1回定期に点検し、必要に応じ清掃、換水等を行ってください。
  • 空気調和設備内に設けられた排水受け(ドレンパン)について、使用開始時及び使用期間中1か月以内ごとに1回、定期に点検し、必要に応じ清掃等を行ってください。
  • 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに1回定期に行ってください。

給水管理・飲料水検査

ア 貯水槽の清掃

 1年以内ごとに1回、受水槽・高置水槽などを清掃し、併せて槽内の点検も行います。清掃作業報告書(作業行程、内部設備状況等の記録)は必ず作成し、保管してください。清掃作業報告書には次の項目が必要です。

  • 作業年月日・作業時間
  • 作業者全員の氏名
  • 作業行程
  • 槽内の点検結果(受水槽・高置水槽等)
  • 簡易水質検査結果(残留塩素・色・濁り・臭い・味について受水槽・高置水槽・給水栓末端で実施します。)
  • 作業者の検便(健康診断)結果

イ 水質検査

 飲料水の水質検査は、原水として水道水のみを使用するビルと、地下水などを使用するビルでは、検査項目や頻度が異なります(表3、表4)。

 定期の水質検査については、原則として給水系統別に末端給水栓において行います。高置水槽方式の場合には高置水槽の系統別に末端給水栓において行います。検査結果が不適となった場合は、原因を調査し速やかに適切な措置を講じます。改善後は、再度水質検査を行い安全を確認してから使用します。

表3 水道水のみを使用するビルの場合
グループ 検査項目 検査頻度
省略不可項目(11項目) 一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)、pH値、味、臭気、色度、濁度 6ヶ月以内ごとに1回定期的に実施

※をつけたグループの各項目については、水質検査結果が基準に適合していた場合には、次回に限り省略可能

※ 重金属 (4項目) 鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物
※ 蒸発残留物(1項目) 蒸発残留物
消毒副生成物(12項目) シアン化物イオン及び塩化シアン、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、総トリハロメタン(クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総和)、トリクロロ酢酸、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、ホルムアルデヒド、塩素酸 毎年6月1日から9月30日までの間に1回実施
表4 地下水などを使用するビルの場合 
グループ 検査項目 検査頻度
省略不可項目(11項目) 一般細菌、大腸菌、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素、塩化物イオン、有機物(全有機炭素(TOC)の量)、pH値、味、臭気、色度、濁度

6ヶ月以内ごとに1回定期的に実施

※をつけたグループの各項目については、水質検査結果が基準に適合していた場合には、次回に限り省略可能

※ 重金属 (4項目) 鉛及びその化合物、亜鉛及びその化合物、鉄及びその化合物、銅及びその化合物
※ 蒸発残留物(1項目) 蒸発残留物
消毒副生成物(12項目) シアン化物イオン及び塩化シアン、クロロ酢酸、クロロホルム、ジクロロ酢酸、ジブロモクロロメタン、臭素酸、総トリハロメタン(クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総和)、トリクロロ酢酸、ブロモジクロロメタン、ブロモホルム、ホルムアルデヒド、塩素酸 毎年6月1日から9月30日までの間に1回実施
有機化学物質(6項目) 四塩化炭素、シス-1,2-ジクロロエチレン及びトランス-1,2-ジクロロエチレン、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼン 3年以内ごとに1回定期的に実施
フェノール類(1項目) フェノール類
全項目(51項目) 水道法に基づく水質基準(省略不可項目などを含む全51項目) 竣工後、給水設備の使用開始前に1回実施

ウ 残留塩素等の測定

 残留塩素は、DPD法(又は、同等以上の性能をもつ測定器)により測定を行います。

 東京都では、水の色、濁り、臭い、味及び残留塩素の測定を毎日、給水系統別に末端給水栓において実施するように指導しています。

 給水栓において残留塩素が基準に満たない場合、あるいは残留塩素濃度の変動が著しい場合は、汚染物質等の混入や長時間の滞留等が考えられますので、速やかに原因を調査し適切な措置を講じる必要があります。残留塩素濃度の基準は表5を参照してください。

表5 残留塩素濃度の基準
項目 基準値 備考
平常時 緊急時 (※)
遊離残留塩素濃度 0.1mg/L以上 0.2mg/L以上
  • 給水系統が複数あるときは各系統の末端で測定する
  • 給水栓末端で毎日測定する
  • 遊離残留塩素が0.1 ㎎/L未満の場合は、結合残留塩素を測定し基準に適合しているか否か確認をする
結合残留塩素濃度 0.4mg/L以上 1.5mg/L以上
  • (※)緊急時とは、ビル内で消化器系感染症が流行しているとき、給水設備の大規模な工事あるいは広範囲な断水の後で給水するときをいいます。

エ 中央式給湯設備

 飲料用貯水槽と同様、貯湯槽(ストレージタンク等)の清掃は1年以内ごとに1回行います。定期の水質検査についても、飲料水と同様の頻度で、貯湯槽等の系統別に末端給湯栓において行います。残留塩素等の測定は、7日以内ごとに1回、給湯水系統別に末端給湯栓において行います。ただし、残留塩素の測定については、給湯設備の維持管理が適切に行われており、末端の給水栓の水温が55℃以上に保持されている場合、給湯温度の測定に代替えすることができます。この場合、残留塩素濃度に代えて、末端給湯栓で測定した水温を記録します。

 ※なお、中央式冷水設備についても、上記と同様の管理が必要です。

オ 防錆剤使用施設

 防錆剤の使用は、「赤水等対策として給水系統配管の敷設替え等が行われるまでの応急対策とする。」(厚労省告示)ことが原則であり、使用する場合は「防錆剤管理責任者」の選任・届出が必要になります。

雑用水の管理

 上水以外の再生処理水、工水、井水や雨水等を原水とする雑用水を利用する場合は、 以下の管理を行います(自動給水、手動給水の別はありません)。

ア 残留塩素濃度の保持

 給水栓における水に含まれる遊離残留塩素濃度を0.1 mg/L(結合残留塩素濃度の場合は、0.4 mg/L)以上に保持します。

イ 雑用水槽の点検等

 雑用水槽について、水槽の状況、内部設備、給水ポンプ及び塩素滅菌機の機能等を定期的に点検し、必要に応じて補修を行います。また、雑用水槽の状況及び水源の種別等に応じて定期的に清掃を行います。

ウ 散水、修景又は清掃に用いる場合

 し尿を含む水を原水として用いることはできません。また、散水には、自動灌水、壁面緑化等、植栽への水やりも含まれます。

エ 水質検査の実施

 雑用水は、使用する用途に応じて表6のとおり水質検査を行います。

表6 雑用水の水質検査項目及び頻度
項目 基準 散水、修景又は清掃の用に供する雑用水 水洗便所の用に供する雑用水
pH値 5.8以上8.6以下であること 7日以内ごとに1回 7日以内ごとに1回
臭気 異常でないこと
外観 ほとんど無色透明であること
遊離残留塩素

0.1㎎/L以上であること

(結合残留塩素の場合は0.4㎎/L以上であること)

大腸菌 検出されないこと 2月以内ごとに1回 2月以内ごとに1回
濁度 2度以下であること -

オ 検査の方法

 検査項目のうち、遊離残留塩素については、DPD法又はこれと同等以上の精度を有する検査方法により行います。その他の項目については、水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省令第101号)に規定する方法により行います。採水は給水管末端の位置にある検水栓で行いますが、末端給水栓が無い場合は設置をしてください。また、水質検査等の結果についてはその記録を保存しておきます。

排水管理

 排水槽(雨水貯留槽、湧水槽を除く。)について、法令では6月以内ごとに1回清掃するよう定められていますが、東京都では原則として4月以内ごとに1回以上清掃するよう指導しています。負荷の高い排水槽については、実情に合わせて実施回数を増やしてください。なお、湧水槽及び雨水槽については、清掃について、法令の規定はありません。排水槽及び排水管、通気管等を含めた排水設備については、少なくとも1月以内ごとに1回の頻度で定期的に点検します。

 また、グリース阻集器については、使用日ごとに捕集物を除去し、7日以内ごとに1回清掃を行う必要があります。なお、グリース阻集器にばっ気装置を設置している飲食店がありますが、排水が流入する時間帯に使用すると油脂分が流出してしまうので、排水が流入する時間帯にはばっ気装置の運転を停止してください。

清掃及び廃棄物処理

 室内の清掃については、日常清掃と、6月以内に1回、日常清掃を行わない箇所について定期に汚れの状況を点検し必要に応じ、除じん、洗浄等の大掃除を行います。清掃作業の計画書(仕様書等作業基準を示したもの)に基づいた業務の実施と清掃日誌の作成が必要です。

 また、廃棄物の適切な処理を進めるために、廃棄物処分量を常に把握していなければなりません。リサイクル品の保管場所についても、廃棄物保管場所と同様にその構造と維持管理に衛生的な配慮を行ってください。

ねずみ等の防除

 ねずみ等に対する生息状況等の点検は、原則として月に1回以上の頻度で実施するよう東京都では指導しています。

 点検の結果に基づき、作業計画を策定し、適切な方法で防除作業を行います。「防除」とは、殺虫剤の散布だけでなく防虫防そ構造の整備などの環境対策を含みます。

 防除のために殺そ剤又は殺虫剤を使用する場合は、使用及び管理を適切に行い、建築物の使用者や作業者の事故防止に努めます。また、使用薬剤は、薬事法による医薬品又は医薬部外品を用いることとなっています。

 生息が確認されて実施した防除の終了後には、効果判定を実施します。効果が認められない場合はその原因を確かめて今後の作業計画策定の参考とするとともに、必要に応じて再度防除作業を行う必要があります。

 効果の調査にかかわる基準として、次のことに注意しなければなりません。

  • 蚊やハエなどは防除作業終了後から1週間の間に、ゴキブリやねずみは1週間から3週間の間に実施します。
  • 効果の判定に当たっては、次の事項を参考にして総合的に行います。
    • 捕獲器等の器具を用いた生息調査
    • ふんや虫体、足跡等の調査
    • 無毒餌を用いた喫食調査
    • 聞き取り調査や目視

レジオネラ症防止対策

 レジオネラ属菌は自然界に広く生息しており、ビルにおいては冷却塔冷却水、循環式給湯やそれを用いたシャワー、修景水、加湿水タンク等において繁殖する可能性があります。レジオネラ属菌は、エアロゾル化した水滴が呼吸器系に吸入されることで感染しますので、エアロゾルを飛散させやすい設備では特に注意が必要です。

 また、循環式浴槽や24時間風呂でも繁殖し、浴場施設や社会福祉施設ではレジオネラ疾患の集団感染や、死亡者も発生しています。

 ビルにおいては下記のような管理を心がけてください。

ア 冷却塔

 冷却水の温度は細菌やアメーバなどの増殖に適しており、レジオネラ属菌も増えやすくなります。また、冷却水がエアロゾルとなるため、最も注意が必要な設備の一つです。

 特に、冷却塔が外気取入口や居室の窓などに近い場合は、十分な管理が求められます。

【維持管理方法】

  • 使用期間中はレジオネラ属菌の増殖を抑えるため、殺菌剤等を継続的に添加する。
  • 月1回程度、冷却塔の点検、清掃を行う。
  • 冷却塔の使用開始時及び終了時には、冷却水管も含めて殺菌剤を用いた化学的洗浄を行う。
  • 定期的にレジオネラ属菌検査を行う。

イ 循環式給湯設備

 循環式給湯水は配管での滞留時間が長く、水温が低い場合にはレジオネラ属菌が増殖しやすくなります。シャワー等、エアロゾル発生の可能性のある機器使用時は要注意です。

【維持管理方法】

  • 給湯栓での残留塩素濃度の0.1mg/L以上の確保又は常に55℃以上の湯が出るようにする。
  • 貯湯タンク、膨張水槽、配管、シャワーヘッド等の清掃を定期的に行う。
  • 定期的にレジオネラ属菌検査を行う。

ウ 修景施設

 人工の滝や噴水等はエアロゾルが発生しやすく、管理が悪いとレジオネラ症の感染源となる可能性があります。

【維持管理方法】

  • 定期的に設備の清掃、消毒を行う。
  • 必要に応じ、循環ろ過装置及び消毒装置を設置する。
  • 定期的にレジオネラ属菌検査を行う。

エ 加湿装置

 ビル空調に組み込まれた加湿装置は加湿水を長時間貯留するものはなく、水質についても水道法の水質基準に適合するものとなっているため、使用期間中はレジオネラ属菌が増殖する可能性は少ないものと思われます。

【維持管理方法】

  • 加湿装置使用開始時と終了時には、水抜き及び清掃を実施する。
  • 卓上型の超音波加湿器を使用する場合は、使用日ごとに水を取り替え、タンク内を清潔にしておく。

<参考>

 『レジオネラ症防止指針 第3版』(平成21年3月発行)では人工環境水中のレジオネラ属菌の感染危険度を、エアロゾル化(空気中への飛散)、周囲の環境や設備の状況及び利用者の条件に応じて点数化(表7)し、その点数を目安とした細菌検査回数(表8)を示しています。

 表7 感染因子の点数
要因
菌の増殖とエアロゾル化の要因 給湯水など 1点
浴槽水、シャワー水、水景用水など 2点
冷却塔水、循環式浴槽水など 3点
環境・吸入危険度 開放的環境(屋外など) 1点
閉鎖的環境(屋内など) 2点
エアロゾル吸入の危険が高い環境 3点
人側の要因 健常人 1点
喫煙者、慢性呼吸器疾患患者、高齢者、乳児など 2点
臓器移植後の人、白血球減少患者、免疫不全患者など 3点

(注)上表の3つの要因から状況に応じてそれぞれ該当するものを選び、その点数を合計します。例えば、冷却塔を使用している一般的なビル内に健常人、喫煙者及び高齢者がいる場合は、(エアロゾル化:2点、環境:1点、利用者:1~3点)の合計で「4~6点」となります。

表8 点数化に対応したレジオネラ属菌検査の実施回数
合計点推奨される細菌検査の対応等
5点以下

常に設備の適切な維持管理に心がける。必要に応じて細菌検査を実施する。

6~7点 常に設備の適切な維持管理に心がける。1年に最低1回の細菌検査を実施する。水景設備の再稼働時には細菌検査を実施する。
8~9点 常に設備の適切な維持管理に心がける。1年に最低2回の細菌検査を実施する。水景設備の再稼働時には細菌検査を実施する。

 細菌検査の結果、レジオネラ属菌が検出された場合はエアロゾルを直接吸引する可能性の大きさによって、下表(表9)のような対応が必要になります。

表9 レジオネラ属菌が検出された場合の対応
エアロゾルを直接吸引する可能性 対応
可能性が低い 100CFU/100mL以上検出された場合は直ちに清掃、消毒等の対応を行い、実施後は、検出限界(10CFU/100mL)以下であることを確認する。
直接吸引のおそれあり 10CFU/100mL未満を目安値とする。検出されたときは直ちに清掃、消毒等の対応を行い、実施後は、検出限界(10CFU/100mL)以下であることを確認する。

(注)「検出」とは検出限界値の10CFU/100mLを超えて検出した場合をいう。

※「不検出」とは10CFU/100mL未満の場合をいう。

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