当センターの施設公開において感染性胃腸炎ウイルスについての説明の際に行ったにデモンストレーションの中で、参加者からの反響が大きかった「吐物の拡散実験」の動画を作成しました。(画像をクリックすると動画がご覧になれます)
ノロウイルスは「冬場の二枚貝の喫食によって起こる食中毒の原因ウイルス」というイメージが強かったのですが、最近の傾向では、人の手を介して人から人へ感染が拡大する事件の割合が多くなっています。
その原因の一つとして、吐物処理の際に感染を広げてしまう事例が報告されています*。吐物が想像以上に飛散することを知らずに、汚染された床を歩き回りウイルスを広げてしまう場合や、汚物処理の際に対応する面積が小さすぎると飛散した吐物が残ってしまう場合もあります。さらに吐物の一部が飛沫として浮遊する可能性も考えられます*。
ノロウイルスの吐物を処理する場合は換気を行い、十分離れた距離から床を次亜塩素酸等で消毒しながら吐物に近づき、吐物とその周囲を注意深く消毒する等の注意が必要です。
今回の実験では施設公開のデモンストレーションということもあり、吐物量を約20mlとして行いましたが、過去の実験により床の材質等によっては2m以上飛散することが報告されています*。
*東京都健康安全研究センター 「ノロウイルス対策緊急タスクフォース」 最終報告書 (P11-14)