スティーブンスジョンソン症候群をご存知ですか? 平成16年9月24日
厚生労働省医薬品・医療用具等安全性情報 No.203の一部を編集
スティーブンスジョンソン症候群は、重い皮膚障害の一つで、医薬品を飲んだことが原因で起こることもある病気です。
初期症状は発熱や、左右対称的に関節背面にでる紅斑で、重症化するにつれ、水疱やびらんができます。目や口などの粘膜に炎症が起きることも多くあります。
重症化すると、呼吸器障害や肝障害などの合併症を起こし、死亡することもあります。また、症状がよくなっても、目や呼吸器官などに障害が残ることもあります。
薬を飲んで、発熱や発疹などの初期症状が発生したら、すぐに診察を受けた医療機関か皮膚科の医師に相談してください。
医薬品によるスティーブンスジョンソン症候群は、原因と考えられる医薬品を飲むことをすぐに止めることが最も重要とされています。
発症の割合は、人口100万人当たりに年間1〜6人程度ととてもまれです。しかし、誰でも発症する可能性は持っています。
発症のメカニズムがはっきりしていません。そのため、医薬品の投与に先立って発症を予知したり、予防することは困難とされています。
厚生労働省によると、発症原因として報告があった医薬品は283成分におよび、その中でも報告数の多かったものは以下のとおりです。
また、表には病院で処方される医薬品しか出ていませんが、一般用医薬品(大衆薬)が原因と疑われた事例も5%ほどあります。
報告の多い推定原因医薬品(医薬品別) |
---|
カルバマゼピン(抗てんかん剤・躁状態治療剤) アロプリノール(高尿酸血症治療剤) ジクロフェナクナトリウム(持続性鎮痛・抗炎症剤) レボフロキサシン(抗菌製剤) ロキソプロフェンナトリウム(鎮痛・抗炎症・解熱剤) ゾニサミド(抗てんかん剤) アジスロマイシン水和物(マクロライド系抗生物質) セフジニル(セフェム系製剤) 塩酸セフカペンピボキシル(セフェム系抗生物質) クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質) |
スティーブンスジョンソン症候群の中でも最も重いとされている「中毒表皮壊死症」についても、厚生労働省は注意を呼びかけています。この病気も、スティーブンスジョンソン症候群と似た初期症状があり、早期の治療が重要です。
このページの担当は 健康安全研究センター 企画調整部 健康危機管理情報課 食品医薬品情報担当 です。