マダニにご注意! ~マダニQ&A~

マダニについて

Q マダニってどんなダニなのでしょうか?

A マダニの成虫は体長が3~8mm。アレルギーの原因となるチリダニ(0.3~0.4mm)や、夏場に室内で刺されて痒くなるツメダニ(0.3mm)などとは違い、肉眼で見ることができます。また、マダニは吸血し、飽血(満腹状態)になると、10~20mm程度の大きさになります。
春から秋にかけて活動が活発になりますが、温暖な地域では冬でも活動しています。

Q どんなところにいますか?

A 日本全国に分布しています。
特に野生動物が生息する自然環境が豊かな場所に多く生息します。市街地周辺でも自然が豊かであれば、畑やあぜ道などにも生息していることがあります。

 

自然環境が豊かな場所のイラスト

Q 都内での生息状況や、ウイルス等の保有状況などはどうなっていますか?

A 東京都健康安全研究センターで行っているマダニの平成28年度、29年度に実施した生息状況等実態調査の結果はこちらのとおりです。平成30年度以降は環境衛生研究科のページをご覧ください。

 

 

Q なぜマダニに注意が必要なのでしょうか?

A 一般的にマダニは、吸血するために地上1m位の植物の葉陰で野生動物や人を待ち伏せして、その体に付着します。そして、比較的やわらかい部位の皮膚に咬み付き、セメント物質を分泌して固着し、その後、麻酔様物質の含まれた唾液を分泌し吸血します。セメント物質で固着したマダニは除去しづらくなり、皮膚科での処置が必要となる場合があります。また、マダニが媒介する感染症も存在します。

 

Q マダニに咬まれるとどうなりますか?

A 前述のとおり、マダニの唾液には麻酔様物質が含まれており、咬まれた直後は気が付かないことが多いようです。2~3日すると掻痒感、灼熱感、軽度の痛みを感じる方もいます。しかし、1週間しても気づかない方もいます。たとえ気づかなくても、7日間ほど(10日間以上のこともあります)で飽血(満腹状態)すると、自ら離れます。

  

マダニ対策

Q マダニのいそうなところに行く時はどうしたらいいですか?

A マダニに咬まれないように肌の露出を避けましょう。長袖・長ズボンを着用し、帽子や手袋なども利用するとよいでしょう。半袖・半ズボンやサンダル履きなどは不適当です。

  • 首にはタオルを巻くか、ハイネックのシャツを着用する
  • シャツの袖口は手袋の中に入れる
  • シャツの裾はズボンの中に入れる
  • ズボンの裾は靴下や靴に入れる

等の方法により、服の中にマダニが入り込まないようにしましょう。

マダニのいそうなところから戻ったら、衣類にマダニが付いていないか、体に付いていないかよく確認し、入浴やシャワーで洗い流すことも有効です。着用していた衣類はすぐに洗濯するなど家の中で長時間放置しないようにしましょう。

   

Q 虫よけスプレーは有効ですか?

A マダニに効果があると記載されている製品もあります。使用上の注意などをよく読み、用法容量を守って使用しましょう。使用状況等によっては効果が弱まりますので、過信せず補助的なものとして利用しましょう。様々な防護手段と組み合わせて対策を取ってください。

 

Q マダニに咬まれたらどのようにしたらいいですか?

A マダニに咬まれていることに気づいたら、最寄りの皮膚科や外科を受診し、除去してもらいましょう。
自分で除去しようとすると、虫体の一部が残ってしまったりする場合があり、あとから炎症や病気を発症する原因になります。

 

Q 所有する土地にマダニがいるようだ。どうしたらいいか?

A 自然界にいるマダニを全て駆除することはできません。先述した対策方法などを参考に、マダニに咬まれないようにしましょう。また、所有者以外も通る場所ならば、通行者に向けても、マダニの注意喚起を行いましょう。

マダニの注意喚起【例】
PDF(84KB) / Microsoft Word(20KB)

 

マダニと感染症

Q マダニが媒介する感染症にはどのようなものがあるのでしょうか?

A 日本でマダニに咬まれて感染する病気として知られているものには、以下のものがあります。

日本紅斑熱 ライム病 ダニ媒介性脳炎 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

都民向け情報リーフレット(ダニが運ぶ感染症に注意) 

 

Q 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とはどんな病気なのでしょうか

A 2011年に新しいウイルス感染症として報告されたもので、ウイルスを保有しているマダニに咬まれると感染します。6日~2週間後に発熱、倦怠感、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)などが現れ、重症の場合は死に至ることもあります。ワクチンや治療法はまだ確立されていません。

 

Q マダニに咬まれると必ず感染症になるのでしょうか?

A 全てのマダニが病原体を持つわけではありません。そのため、必ず感染症になるわけではありません。

 

Q マダニに咬まれたら、感染しているかどうか病院で調べてもらった方がいいですか?

A マダニに噛まれていることに気づいたら、最寄りの皮膚科や外科を受診し、除去してもらいましょう。(Q マダニに噛まれたらどのようにしたらいいですか?)

万が一、感染していたとしても、症状が出ていないうちは検査することはできません。3週間程度(ライム病の潜伏期間最大32日間)は、発熱、倦怠感、発疹、関節痛、腹痛、下痢の症状が出ないか経過観察してください。(SFTSの発症までの期間は6日から2週間程度です。)
もし、症状が出たら、最寄りの内科で受診し、その時は必ずマダニに咬まれたことを伝え、いつどこでどこを咬まれたか、申告してください。

 

【参考文献】

 

マダニに関するお問合せはお住まいの地域の保健所まで

東京都健康安全研究センター 〒169-0073 東京都新宿区百人町三丁目24番1号 電話:03-3363-3231
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